Peeping Sousuke

by:蒼龍


「檜佐木君は中々可愛いよね。」
「は・・・?」

虫も静まる牛の刻。
これは藍染一派の秘密会議。
一本の蝋燭の灯火のみが、三人の顔を照らす。
その姿はさながら悪代官と越後屋といったところだろう。

「藍染様・・・・」

上の発言に明らかに怒りを覚えているのが東仙。
片手を清虫に伸ばしているのは気のせいだろうか・・・。

「藍染さま、相変わらずやな・・・。」

実は藍染さんはよく部下をつまみ食いするのだ。
今の雛森にはどうかわからないが、
最低でも市丸はすでに食われている。
東仙や狛村のことはわからないが・・・。
ともかく自分の部下(手下?)の部下も食べるのではないか…。

「なんだい、要。」
「修兵に手を出したら、いくら藍染様でも許しませんよ。」

現在自分の副官とラブラブ中の東仙は
もしも檜佐木に危害を加えるようなことがあれば
容赦なく自分が慕っている藍染の首もはねるだろう。
冷たい空気が張り詰めた。
市丸は正直に勘弁してくれと思っているはず。
普段おちゃらけで異常だと思われている彼が、
ココにくるととたんにまともに見えるのは気のせいだろうか・・・。

「一体誰のおかげで、彼が君の下についていると思うんだい?」
「なにを勘違いしておられるんですか。
 藍染様の手解きを受けずとも、
 修兵は僕の下につきましたよ。」
「その根拠のない自信はどこからくるのかな。」

完璧に話しがそれてしまった。
密会であるはずなのに、
こんなにも攻撃的な霊圧バリバリ出していていいのだろうか。
それよりもこんなアホな話しを続けていて
なにが楽しいのだろうか・・・。
速攻自室に帰るか、イヅルに夜這いをかけたくなっている市丸。
とりあえず、イヅルが藍染の好みではないことを幸運に思っている。
自分はいいが、可愛いイヅルには絶対に手をださせない。
いや出したら死よりも辛い現実を味わわせるだろう。

「僕と修兵は見えない赤い糸で繋がってるんです。」
「随分と夢うつつなことを言ってくれるね。
 見えもしないその糸をどうやって知ったんだい?」
「僕には他人には見えないものが見えます。
 第一に、盲目の僕が何かを見えることなんて無いんですよ。
 とうとう頭までいかれましたか?」

冷戦というよりも熱戦に近づいてきたのだろうか。
さっきよりもさらに口論していることが幼稚になってきている。
お互い斬魄刀を握りながら、さらにヒートアップしていく。
一つの座布団ががら空きになっていた。
市丸がもう着いていけなくなったからだろう。

「ふふ、君のものは僕は僕のものだよ。」
「いいえ、違います。」
「なんだい、檜佐木君は君のモノではないと?」

と仕舞いにはくだらないジャイアニズムまで持ち出してきたが、
それに反論した東仙はふふと笑顔でいた。

「僕が修兵のものですから。」
「・・・。」

予想外の言葉に藍染は凍った。
あんな風に見えて実は、上下の関係は逆だったのだろうか…
いろいろな考えが頭をよぎり、パンク状態になった。
立ち上がった東仙は穏やかに襖を開けて一旦頭を下げると、
足音を立てずに廊下を駆けていく。

「修兵も僕のものだけどね。」

風にかき消されるような声でつぶやいた。




次の日の夕方。

目をつけた獲物は絶対に食ってみせると意気込んでいる藍染。
見た目は狸だが実質は狼。
そんな真実誰もしらなくてもよさそうな気がする。
東仙にあれだけ言われようとも、まだ檜佐木を諦めきっていないのだ。
なにせ、自分の人のよさそうな微笑みで誘えば、
女だろうと男だろうと一瞬で落とせる自信がある。
聞くところによると、彼は借金をこさえていて酒をろくに飲んでいないそうだ。
彼も年頃なんだし酒は好きなわけで、
仕事の後にちょっと居酒屋に誘って酔い潰せばいいだけ。
その後はお持ち帰りすればいい。
なに、疲れているところに開発局から買った薬を盛れば一発で終わる。
後は自分すら恐ろしくなるほどのテクで彼を落とし、
東仙から奪い取ってしまえば計画は終了する。

『ふふふ要、
 僕に反抗したことを後悔するんだね。』

当初と随分目的が変わっている。
が、この際気にしないでおこう。
藍染は一度こほんと咳をすると、
ブラック藍染から高感度のもてる真っ白藍染へと移り変わる。
奥様がたから黄色い声が飛びそうだ。
そういった雰囲気を纏いながら、
藍染は九番隊執務室のドアをたたく。
本当なら東仙が檜佐木と一緒にいる時間に訪れたい。
なぜなら、檜佐木が見事自分の誘いに乗り、
悔しがる姿を見せてやりたいと思っているから。
一体どこまで性格が悪いのだろうか・・・。
だが、誰も戸を開けようとしてこない、
それどころか室内から異様な声がする。
もしやと思い、ほんの一寸くらいの隙間だけ。

『なぜ、僕がこんなまねを・・・。』

と思っていたが、
あんまりにも結果が予想通りだったために言葉も思いもすべて飲み込んだ。
そこにはテーブルで体をうつ伏せに倒されている檜佐木と
後ろから覆いかぶさっている東仙の姿がばっちり見える。
檜佐木の顔は薄紅色を通りこした紅色にも近く色づきあがり、
汗で濡れた髪の毛が額につき、
涙を流しながらも目は潤んでいる。
口からはだらしなくこぼれる唾液や、
たぶん前に咥えていたであろう東仙の精液がべったり着いている。
よく見ると胸元もはだけているのではないだろうか・・・。

「く・・・っ、アッ・・・、た・・・、たいちょうっ!」

そして何よりも、情熱に身を任せつつ、
恥らうように噛み押さえた喘ぎ声がたまらない。
東仙は後ろで余裕がなさそうなくらいに腰を振っている。
その激しい動きは、普段温厚な彼からは想像もつかない。
そんな光景を見て、己の下半身が反応をしないわけもなく・・・。
なんというか自分でするのもいいが、
こういう風に誰かのを覗き見するのもまた一興。

『ぼ、僕は一体なにを考えているんだ・・・!』

目を離そうと思っても、欲望には勝てずそのまま見続ける。
我慢ならず体を震わせ、こすり付けているようにすら見える。
こんな藍染を雛森に見せたのなら、
原作での悲劇は絶対に起こらなかったはずだ。


「アアッ・・・!」
「・・・修兵っ!!」

檜佐木は一際高い声を漏らし、
その後に東仙は疲れたのだろうか修兵の上半身に己の体を重ねた。
あの様子だとまだ中に入っているのだろう・・・。

半分放心しているのだろうか。
檜佐木はドアを見つめていながらも、それに反応することはない。
苦しそうに肩で息しながら、ぼんやりと虚空を見つめている。

「体位変えてもう一度しません?」
「修兵は淫乱だからね、一回で満足できるの。」

体を起こし今度は上向けにテーブルの上に横になる。
胸元は思ったとおり、完全にはだけていた。
だがその白い肌と死覇装の黒さがなんとも艶かしい。
そして白い雪の上には赤い跡がいくつもついていて、
突起は熟した桃のような色をしている。

「隊長、愛していますよ。」
「僕も愛しているよ、修兵。」

再び覆いかぶさった東仙が今度は濃厚な口付けを幾度となくくりかえし、
檜佐木の足を持ち上げて挿入を再開した。
結局のところ藍染は、
二人の熱い情事をずっと見るだけで夜を終えたのだった。


次の日東仙のほうは藍染にあったときに
不敵の微笑みを返しつつ、鼻で笑い、
檜佐木は一度すみませんでしたといいつつも
スリルが面白かったのか、大してすまんと思っていない。
こうして藍染は二人のいいダシにされてしまった。
懲りた藍染は二度と他人のものには手を出そうとしなかったらしい。


お粗末。








コメント:

一言言うならば、すみませんでした。
かなり下品なネタな上に、
藍染隊長ファンの方々全員を敵に回すようなまねをしてしまって
こころから反省しております。
でもすっごく楽しかったんですよ!!
下ネタ好きです、はい。
おっかさん、おっとさん、申し訳ございませんです、はい。

当初の目的では藍染隊長は修兵を誘ったあと
結局の修兵を落とせずに悔しがってラブラブエンドのはずが
打っているうちにどんどんエロになっていきました。
怖い怖い…。

ちなみに名前なんですがPeepingTomというのは英語で出歯亀という意味ですw
のぞき穴のことをPeepHoleと呼びますからねw
ですがこれは惣右介隊長なんで
PeepinSousukeに名前を変えました。

再度、申し訳ございませんでした。
でもなんかこれからも下ネタに手を出しそうです・・・。